イケてる30代を目指すIT社員の雑記

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【若手ビジネスマンの武器】“聴く”という“スタンス”が仕事で強みになる3つの理由

社会人になると、仕事で”きく“シーンは多々あると思います。

会議であったり、上司からの指示であったり、同僚の愚痴であったり。

それだけ、”きく“ということは仕事において、多くの時間が費やされる一方で、”きく“という概念を理解し、かつ実行に移せている方は少ないのではないでしょうか。というのも、我々は、"考える"という概念と同じくらい、“きく”という概念について、学校や職場で学ぶことがないからだと思います。

そんなとき、最近『LISTEN』という本が出版され、話題となりました。僕も本記事をかくきっかけとなった一冊です。

本記事では、『LISTEN』の中で紹介されている“きく”という概念や“きく”ことがもたらすことについてご紹介しながら、仕事で“きく”ということがいかに大切かを僕がリクルートで働く中で感じたことを交え、お伝えできたらと思います。

<本記事参考文献>

LISTEN ケイト・マーフィ著

<目次>

“きく”ということについて

“聴く”スタンスがもたらす3つのこと

 自分を面白い人間にしてくれる

 真のチームワークを作り出す

 学び続けることができる

リクルートでの経験について

終わりに

“きく”ということについて

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まず、“きく”ということについて考えてみたいと思います。

冒頭から、“きく”という風にひらがなで表現しているのには理由があります。

“きく”という漢字には、聞く、聴くの2つが思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。

まず、この2つの違いについて。

簡単にお伝えすると、“聞く”は黙っていても耳に音が入ってくる様を表現しており、いわゆる受動的な“きく”を表す言葉になります。

一方、“聴く”は、興味をもったことに耳を傾ける、いわゆる能動的な“きく”を表す言葉です。

“聞く”と“聴く”の違いについては、以下の記事が詳しく紹介してくれているので、詳細気になる方は参考にして頂けたらと思います。

https://shingakunet.com/journal/exam/20201118000012/

 

この2つの“きく”の違いはとても重要で、仕事で多くを“きく”といっても、ほとんどが“聞く”になってしまっていないか?“聴く”ということが全くできていないのでは?という問題提起を『LISTEN』ではしてくれています。

また、タイトルにて“聴く”ということを“スキル”ではなく、“スタンス”と表現したのにも理由があります。

『LISTEN』の冒頭、こんな書き出しがあります。

他人の話は「面倒で退屈なもの」です。だから、私たちは聞くより、話し、知らない人を避け、何に時間をかけるかを自分で決められるSNSを見がちです。でも話をコントロールすることは、そんなに大事なことでしょうか。

この一文は個人的にすごく示唆的だと思っています。

人は、特に仕事において、聞くよりも話すことに重点を置きがちです。よく社会人として必須のスキルに“傾聴”というコトバがありますが、これは、自分の話したいこと、いわゆる自分の意見や要望を通すための手段として語られがちだと思います。つまり、話をコントロールするためのスキルが“傾聴”というわけです。

本記事のタイトルを“スキル”ではなく、“スタンス”と表現したのには、ここに理由があります。

“聴く”という行為は、小手先のテクニックではなく、人ととしての魅力を高める要素を捉えてほしい。そう考えております。

“聴く”スタンスがもたらす3つのこと

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では、“聴く”という“スタンス”を意識し、自分のものにすることで、どのような効果を享受できるのでしょうか。

『LISTEN』にいくつも“聴く”についての興味深い事例が紹介されていますが、その中から3つピックアップして、ご紹介したいと思います。

<自分を面白い、かつ価値ある人間にしてくれる>

まず、一つ目が人としての魅力を“聴く”というスタンスが高めてくれるということです。

『LISTEN』の一文を引用します。

予測不能だからこそ人は興味深いのです。不確実性が高いがために人の話に耳を傾けないのだとしたら、そこで確実に起こることは、退屈な時間と、新しい学びがないためにあなた自身もつまらない人間になる、それだけです。

あなたのみじかな人で魅力的だ、と感じる人はどんな人でしょうか。

好奇心旺盛で、色々なことに挑戦し、人とは違った様々な経験をされている方ではないでしょうか。

人から話を“聴く”ということもある種、人にとって貴重な経験なのです。多くの人の話に対して好奇心を持ち、“聴く”ことで経験が蓄積され、あなたを魅力的な人間へと作り上げるのです。

また、“聴く”というスタンスは、現代の社会においてとても貴重になってきています。『LISTEN』の中で紹介されているある面白い現象についてご紹介しましょう。

テキサス州に、サン・ファン・デル・バレ聖母大聖堂という教会があります。そして、近年その教会の前には、長い行列が続いています。この行列が向かうところは、教会の告解室、つまりカトリック教徒が懺悔をする場所です。

そして、この行列にはカトリック教徒ではない人も含まれており、かつアメリカ人だけではなく、ラテン・アメリカ、アジア、アフリカ、ヨーロッパなどからも大勢の人が訪れていると言います。

このアメリカにある教会前に成す行列が意味することは何でしょうか。

教会のゴメス神父のコトバを引用します。

「話したい人はたくさんいますが、聞きたい人はごくわずかです。そして、ここで目にするのはそのために苦しんでいる人々なのです。私は告解で、好きなように話してもらいます。彼らは最後に、私と話ができて嬉しかった、と言います。でも私は話をしていません。おそらく、彼らの話を聴ける状態に私自身があること、それが彼らが求めてやまないことなのでしょう。」

“聴ける”人は社会において、少数派なのです。ということは、“聴ける”というスタンスが希少性が高いということ。

つまり、“聴ける”人は今の社会において価値が高いと言えるのではないでしょうか。

<真のチームワークを作り出す>

そして、2つ目が“聴く”というスタンスが高いパフォーマンスを生み出すチームワークを作り出します。

近年、人事の界隈ではトレンドである「心理的安全性」という概念を聞いたことがあるでしょうか。

人がグループやチームの中で、リスクを省みず、必要と感じることをしっかりと意見することができる、と感じられる状態のことです。

Googleが2012年に「何が素晴らしいチームを作るのか?」という問いを設定し、「プロジェクト・アリストテレス」という研究チームを立ち上げました。

そして、Googleが明らかにしたのが、パフォーマンスが高く、生産的なチームは、チームメンバーの発言量が同じくらいであるということでした。

これは言い換えるとチームメンバー全員が自分の言いたいことを言い続けるのではなく、メンバーの話を互いに「聴き合っていた」というこということです。

つまり、“聴く”というスタンスは良いチームを形成する上で非常に重要な要素であるということです。

チームのリーダーかどうかはさておき、チーム内で“聴く”というスタンスを大切にすることは少なからずチームでのパフォーマンスにプラスの影響をもたらすことになるのです。

<学び続けることができる>

そして、最後の“聴く”ことが我々にもたらしてくれるもの、それは学び続ける習慣の獲得です。

言わずもがな、我々はVUCAと呼ばれる変化の激しい時代を生きています。つまり、今日役立つスキルや知識が明日全く使い物にならなくなる可能性がある時代ということです。

そんな時代において、キャリアを築く上で重要なので、「学ぶ続ける姿勢」でしょう。

世界的ベストセラーになった『LIFE SHFT』にも学び続けることの重要性が記述されています。

『LIFE SHIFT』は社会人として必読の一冊だと思いますので、まだ手に取られていない方はぜひ一読することをオススメします。

では、“聴く”というスタンスと学び続ける姿勢の因果関係はどうなっているのでしょうか。

ライフネット生命の創業者でAPU(アジア太平洋大学)学長の出口氏が人は3つからしか学べないと述べています。

まず1つ目が旅です。

人は未知の地に足を運ぶことで、新しいものに触れ、自分の中の世界が広がっていきます。

インドに旅にいった人はよく価値観ががらっと変わるといいますが、日本ではありえないことがインドでは日常だったりします。

自分の当たり前を疑うには、旅と通して、自分の知らない世界に触れることが大事という事です。

そして2つ目が本です。

これは、言わずもがなだとは思いますが、読書家の人は学び続ける習慣がある人が多く、かついわゆる成功者ほど本をたくさん読むと言われています。

かの有名なマイクロソフト創業者のビル・ゲイツは数日書斎にこもり、読書をするといわれています。

本は、もっともコスパよく学べる手段ですし、学びを得るには、最適なツールと言えると思います。

そして最後が人です。

別に、インドへ旅に行かなくても自分の知らない世界を広げることは可能です。自分が経験したことのないことを経験している人や自分とは違った考え方をする人の話を聴くことで自分の知らない世界に触れることができます。

これこそ、聴くと学ぶの因果関係です。“聴く”というスタンスがないと、人からいくら話を聞こうが、自身の学びにはならないでしょう。

人からの話で学びを得るには、ゴメス神父が述べているように、自身が聴ける状態にないとならないのです。

リクルートでの経験について

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これまで、“聴く”ということが我らにもたらすことについてのべてきました。

最後に、僕自身がリクルートという会社で働く中で“聴く”において、感じたことについて書いたみたいと思います。

リクルートには、よもやまという文化があります。

よもやまとは簡単にいうと、いわゆる1on1ののとで、ガチっとアジェンダを決めるというよりも、今考えていることや悩んでいることなどをフランクに相談する場で、僕もよくよもやまを先輩にお願いしたりします。

そして、僕はあるリクルートのマネージャーとよもやましているときに、こう言われたことがあります。

「聴き上手だよね!よもやましてると考えが整理できて、いつもとても助かってるよ」

相手はリクルートのマネージャーなので、僕が何かアドバイスをしているわけではありません。

ですが、僕とかよもやまに価値を感じてもらえたのは、僕がマネージャーが何を考えていて、何を成し遂げたいと思っているのか?に対して興味を持ち、聴くスタンスを大切にしながら、自分なりの意見をお伝えできているからだと解釈しています。

聴くというスタンスは、先輩や上司に対しても価値になるのだ、と身をもって体感しました。

終わりに

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今日ビジネスの世界では、自分の意見を通すためにいかに他人をコントロールするためのスキルを獲得するか?に主観が置かれがちな気がします。

プレゼンテーションなどのスキル本が本屋に数多く並んでいることからもそう感じてなりません。

しかし、そんな世界だからこ“聴く”ということについて考え、学び、実践してみて何かを感じるか?を体験してほしい。

そのように本記事を書いていて感じております。是非本記事を読まれて、興味が湧いた方は、『LISTEN』を読み、作者の意見を聴いてみては如何でしょうか。