本記事では、新卒として就活に望む学生の方や、転職を検討している20代若手社会人に方向けに、就活や転職で必ず行う企業分析の本質についてお伝えできたらと思います。
企業分析と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。企業理念、組織の風土、給与、残業有無、展開しているサービスなどを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、これらを理解するには企業を理解する上では重要ですが、分析ではありません。では、企業分析とは本質的に何を考え、知ることが重要なのでしょうか。本記事では、その問いに少しでもヒントとなる内容をお伝えできたらと思います!
本記事の内容の理解をもっと深めたい!という方は以下の本がオススメです!(Kindle読み放題で無料で読めます!)
<目次>
企業分析とはなにか
企業分析では何を分析すべきか
なぜ企業分析に経営学の知識が役立つのか
経営学のエッセンス
企業分析をやってみる!
終わりに
企業分析とはなにか
まず、そもそも企業分析の目的は何かを考えてみたいと思います。企業分析について考える上で重要な問いが“分析とは何か?”ということです。
分析の本質は、“比較をすること”です。なので、大前提1社について色々調べるだけでは分析になりません。
例えば、人材業界の企業A社の初任給がどれぐらいか?を知りたいとしましょう。ネットで調べたら、月30万とありました。この月30万という数字をどう捉えるでしょうか。
そう、比較対象がないとこの月30万が低いのか、はたまた高いのかが判断できないのです。
企業分析の本質を考える前提として、分析とは比較である、は意外と重要です。
企業分析では何を分析すべきか
では、企業分析とは何を分析、つまり比較すべきなのでしょうか。
結論、目的次第で変わります。もし、就活の軸が給与、であれば給与を分析すべきですし、残業したくない!とかであれば、業務内容や残業時間について分析すべきです。
とはいえ、前提として優良な企業に入りたくない!という方はあまりいないでしょう。なので、個人的な見解としては、まず1番にすべき分析は、企業の競争優位性を分析すべきである、というのが僕の意見です。
競争優位性と聞いてもピンとこない方も多いでしょう。この競争優位性を把握するために必要な知識がタイトルにもある経営学なのです。
なぜ企業分析に経営学の知識が役立つのか
では、企業分析はまず企業の競争優位性を明らかにすることを目的とした上で、競争優位性とは何か?としてなぜ経営学が競争優位性を把握するために必要なのか?についてご説明しようと思います。
本記事では、ざっくりの解説になりますので、もっと詳しく知りたい!という方は本記事冒頭に記載した本を合わせて勉強してみてください!
では、競争優位性とは何か?についてお伝えします。競争優位性とはその名の通り、企業が競争する上で競争の優位性を生み出す要素のことです。
企業はゴーイングコンサーン、つまり利益を出すことを大前提とする組織体です。
そして利益=売上−コストであることから、競争優位性が生み出すものは、高い売上をもたらす、ないしは低いコストを実現する、どちらになります。
では、競争優位性は何か?をどう分析すればよいのか。その答えが経営学にあります。
経営学のエッセンス
経営学は、以下の6つの分野が集結した学問のことを指します。
・経営戦略
・アカウンティング
・人・組織
・オペレーション
そしてこの6つの学問を駆使して導き出すのが、ビジネスモデルです。ビジネスモデルもその名の通り、企業がビジネスで利益を稼ぎだすためのモデル、つまりシステムです。
ビジネスモデルと聞くと難しく感じますが、簡単です。ビジネスモデルは以下4つの要素で整理することができます。
①ターゲット(顧客は誰か)
②バリュー(提供価値は何か)
③ケイパビリティ(バリューをターゲットにどう届けるか)
④収益モデル(対価とコストは見合っているか)
つまり、競争優位性とは、このビジネスモデル4つ構成要素のどこかに隠れているということです。
そのため競走優位性を理解するには、経営学の6つの分野を理解することで、どの要素が他と比べてどう優れているのか?を理解できるようになります。
なので、企業分析において、経営学の知識は役立つのです。
企業分析をやってみる!
とはいえ、実際に企業分析をやってみないとあまりピンとこないと思います。そこである企業を題材に競走優位性の分析をしてみたいと思います。
分析では、前章でお伝えした4つのビジネスモデルを構成する要素のフレームワークで整理したいと思います。
<スターバックス>
まず、おそらく知らない人はほとんでいないであろうスターバックス(以後スタバ)の競争優位性とは何か?を考えてみましょう。
スタバとドトールを比較してみました!
スタバの競争優位性を考える上で着目べきが、提供価値でしょう。
ドトールもそうですが、ほとんどのカフェや喫茶店の提供価値はコーヒーです。しかし、スタバはコーヒーを提供はしているものの、本質的な提供価値は“The Third Place”であるとおいているのです。
そして、この言語化した提供価値がブランドとなり、スタバの世界的な競争優位性を生んでいると考えられます。スタバのより詳細は競争優位性の部分はたくさん本も出ていますし、個人的にも学びを掘り下げたい案件なので、今後記事にしていこうかなと思います!
ちなみに、今回スタバと比較したドトールが劣っているということでは決してありません。
スタバとドトールのターゲットを見てわかる通り、それぞれターゲットが異なります。つまり極端に言ってしまえば戦うフィールドが違うわけです。
このように、ビジネスモデルで企業分析をすると同じ業界でも全くビジネスモデルが異なり、かつ競争優位の源泉も異なることがわかってくると思います。
終わりに
本記事では、企業分析の本質というテーマで、企業分析のゴールとして、深い分析を行うために必要な学問が経営である理由をお伝えしてきました。
ぶっちゃけ、そこまで就活でする必要あるの?と思った方もいるかもしれません。しかし、個人的には企業分析の深さが就活においてあなたの競争優位性になると信じています。
事実、私は深い企業分析のおかげで学生時代多くの企業から内定をいただくことができたと思ってます。
なので、ぜひ食わず嫌いせず本記事をきっかけに本質的な企業分析の第一歩を踏み出して頂けたら幸いです。