こんにちは。
3月下旬に差し掛かり、就職活動も本格化してきた時期ですね。就職活動の進捗はいかがでしょうか。順調に各社の選考が進んでいる方、なかなか思うように行っていない方様々かと思います。
今日は、リクルートを第一志望にされている方に、リクルートという”組織”はどういうものなのか?という抽象的でイメージしにくい”組織”の解像度をあげ、企業分析に役立つ記事を書ければと思います。
ちなみに、なぜリクルートについて、”組織”という切り口で記事を書こうと思ったか、というと僕が人事企画職としてリクルートで働く中で、リクルートの近年の目覚ましい成長を支えているのは、リクルートの組織として強さにあると感じているからです。
そこで、リクルートの組織としての強さとはなんなのだろうか?という問いを言語化したい!というのがこの記事を書く背景にあります。
リクルートの面接は、主に「あなたはどういう人間なのか?」を問われる質問が多いかと思いますが、リクルートの強さを源泉を言語化しておくことは、面接で話せる内容の幅を広げることに繋げると思うので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
<目次>
①リクルートの興味深い歴史
③終わりに
<①リクルートの興味深い歴史>
リクルートという”組織”を見る上で、リクルートという”組織”がどんな歴史を歩んできたのか?を最初に述べたいと思います。リクルートというと、起業家をバンバン輩出していて、人材輩出企業とか呼ばれてますし、メガベンチャーという認識もある方も多く、最近できた会社?と意外と組織としての歴史が深い事実をご存知ないかも多いかもしれません。
リクルートの創業は、1963年です。つまり、リクルートという組織ができて約60年経ってます。そして、もう1つ面白い事実は、現在時価総額7兆円ほどで日本国内で7位のポジションにいる、大企業ですが、なんと約60年の歴史の中で2度も経営破綻の危機に直面してます。知ってました?僕は就活の時にこの事実を『江副浩正』というとても分厚い本で知り、この事実から一気にリクルートに興味を持ち、選考に進んだことを昨日のことのように覚えています。
時間がある方は、ぜひ読んでみてください。リクルートの企業分析はこの一冊読むだけで十分だと思います。
<リクルート事件>
話を戻しましょう。まず1回目にリクルートという組織が経営破綻の危機に直面したのが、1982年に政界を巻き込み、当時相当な話題となった?(僕生まれていないので、真偽は定かではないですが)事件です。
リクルート事件の詳細はこちらの記事では割愛しますが、簡潔にお伝えすると、当時上場予定だったリクルートコスモスという不動産会社の未公開株を政治家に配り、便宜を図ったのではとリクルートの創業者である江副浩正氏が疑いをかけられ、有罪判決を受けた事件です。もし詳細知りたい方は以下記事はわかりやすくていいと思います。お時間あればみてみてください。
<不動産事業で大失敗>
2回目にリクルートという組織が経営破綻の危機に直面したのが、1992年にバブルが弾け、当時不動産事業に多額の投資をしていたリクルートは、有利子負債、約2兆円を負った事件です。この事件でリクルートはダイエー(現在はイオンの傘下)に買収されました。
リクルートは上記の2つの事件で経営破綻寸前に陥りましたが、冒頭でもお伝えした通り、2度とも乗り切り、現在時価総額約7兆円の大企業です。なぜリクルートは2回の危機を乗り越え、成長を続けることができたのか?
僕は、その強さを源泉をリクルートの特有の”反脆弱性”の組織形態であることだと考えてます。
<②リクルートという組織にみられる反脆弱性とは?>
”反脆弱性”?ん?なにそれ。という不満の声が多く挙がっていると思うので、このよくわからない概念について、少し説明しようと思います。
”反脆弱性”とは、認識論の研究者であり、サブプライムローンを言い当てた『ブラック・スワン』の著者であるナシーム・ニコラス・タレブというとても頭の良い人が提唱した不確実性とリスクの本質を示した理論です。
引用します。
「衝撃を利益に変えるものがある。そういうものは、変動性、ランダム性、無秩序、ストレスにさらされると成長・繁栄する。そして冒険、リスク、不確実性を愛する。こういう現象はちまたにあふれているというのに、『脆い』のちょうど逆に当たる単語はない。本書ではそれを『反脆(はんもろ)い』または『反脆弱』(antifragile)と形容しよう」
<出どころ>
つまり、不確実性を楽しめる組織、それが”反脆弱性の組織”と定義してもいいかと思います。(間違ってたらごめんなさい。)
僕は、リクルートで働く中で、リクルートが不確実性を楽しむ”反脆弱性”の組織だなーと感じる瞬間がいくつかあります。2つ例として示します。
<リクルートの採用コンセプト”KEEP YOU WIRED”>
まず、僕が就職活動をしていた2018年のリクルートの新卒採用のコンセプトをご紹介しましょう。それが、「KEEP YOU WIRED」です。直訳すると、変で居続けろ、です。
リクルートの当時の採用ページを引用します。
<出どころ>リクルート新卒採用ページ
普通、会社という組織は、同じような考え方をする人材を求めます。なぜなら、そのほうが、楽だからです。しかし、リクルートは、VUCA呼ばれている不確実性満載の今の時代を前提に、不確実性を乗り越えるために、多様な価値観を持った人材を採用しよう。まさに”反脆弱性”ですね。
「リクルートは動物園みたいな会社です。」
と言われて、おお!と感じたことを昨日のことのように覚えています。
つまり、ライオンみたいな人もいれば、ナマケモノみたいな人もいる(ちょっと極端でよくない例かもしれませんが)ということです。
<よもやまという文化>
そして僕が”反脆弱性”をリクルートに感じる点として、”よもやま”という文化があります。よもやまとは何かと言うと、世の中一般的にいう、ミーティングのことなのですが、イメージ、アジェンダのがっちり決まっていない相談ベースのミーティングという感じです。
このよもやまになぜリクルートの”反脆弱性”を感じるのかというと、部長とかマネージャーが僕のよもやま申請を快く受けてくれるという点です。
もちろん役職ある人に対して、事前にアジェンダと会議のゴールを設定して、会議を申請することはとても重要です。しかし、どうしてもアジェンダがガチッと決まっていると様々アイディアが出てたりすることは少ないです。
あえて、ラフな場での会議にすることで、対話を通じて、問題を発見できたり、クリエイティブなアイディアが出たりするものです。
その”対話”を大事にする文化がよもやまという形でリクルートという組織には根付いているな、と日々働きながら感じてます。
つまり、リクルートはよもやまがあるからこそ、スピード感を持って、不確実性の高い問題、課題に向き合えるのでは?と僕は考えてます。
<④終わりに>
本日は、リクルートを”反脆弱性組織”という観点で強さを源泉を考察してみました。
僕は、人事企画という仕事をしている関係上、組織論はよくインプットしてます。特に、最近は、組織行動学や行動経済学という学問をインプットしてます。
まあ、何が言いたいかというと、組織のプロは今後、需要があると僕は考えてます。AIが台頭してきた今の時代、”人”に関する知識は需要があると思います。
なので、ぜひ企業分析をする際には、会社をどんな”組織”なのか?という観点で分析すると面白い学生だな!と思ってもらえるのでは?と思ってます。
もし興味があれば、組織について学んでみてください。以下の本はオススメです。