みなさん、100円ショップを利用したことがありますでしょうか。いわゆる100均というやつですね。僕は、最近あまり利用していないですが、高校生のころよく使ってました。目的なく行っても色々なおもしろ商品があった面白いですしね!
今回は、この100円ショップに関する疑問です。疑問は至極単純で”100円ショップって儲かっているの?”という疑問です。
単純に定価100円ってほとんど利益出てないのではないかと考えてしまったのです。笑そこで調べて見ました、結論から言うと、100円ショップものすごく儲かってました。なんなら「デフレの勝ち組」などと評されていました。考えが甘かった。笑
この記事では、100円ショップの今、そしてなぜ100円ショップが「デフレの勝ち組」と呼ばれるまでに成長できたかについて考察したいと思います。
100円ショップの今
100円ショップのマーケットには4社の大手があり、2016年度における売上をそれぞれ見ていくと業界トップのザ・ダイソーを運営する大創産業が4,200億円でシェアの62%を握っています。続いて2位のセリアが1453億円、3位のキャンドゥが680億円、そして4位のワッツが461億円となっています。
2位のセリアはシェアが21%とトップを走る大創産業に大きく水を開けられてしまっていますが、この会社この約20年間の間になんと売上を200億から1500億円、つまり約8倍にまで拡大させているのです。
セリアのIRをのぞいてみる
セリアはジャスダックに上場しているので、少しIRをのぞいて見ましょう。まずは売上と営業利益の推移。
すごい!順調すぎる右肩上がり。次に売上高営業利益率、売上原価率、そして売上高販管費比率です。
売上高営業利益率が10%というのはなかなか高い!小売業の平均売上高営業利益率を調べてみるとなんと2.1%!セリアの10%がいかに高い数字かがお分かりになると思います。
100円ショップが「デフレの勝ち組」となれた3つの理由
デフレによる消費者行動の変化
まず、はじめにデフレにより、消費者が安いものに大きな価値を見出すようになったことです。 下記のグラフは消費者の消費に対する意識とその理由です。
<出所>
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/pdf/28hakusho_1-2.pdf
なんと約60%の人が消費を今後減らそうと思うと回答しています。その理由で大変を占めているのが所得への不安と先の見えない将来への不安からの貯蓄です。
デフレと変化の激しい時代が相まって人々は消費にはなるべくお金をかけたくないと言う欲が出てきたのです。その欲に対し、適切に価値提供をしたのが100円ショップと言えるでしょう。
100円ショップに行けば、生活に必要なほとんどのものがたったの100円で手に入ります。100円ショップはこの時代の流れによる人々のニーズに上手く答え、価値提供できたことにより、大きく成長していると言えると思います。
コト消費で顧客を魅了する
あなたは100円ショップに行くとき、どんな目的で行くでしょうか。 私は、少し時間が空いたときに暇つぶしをかねて100円ショップよく行ってました。オモシロ製品が多くあった特に欲しいものがなくてもただみるだけで楽しくなる空間が100円ショップにはあったのです。そこでシェアトップであるダイソーのホームページをのぞいてみると・・・
おー!!店舗の空間を戦略的に魅力あるものにしていました!時代が変化するにつれ、モノ消費からコト消費に消費者のトレンドが移ってきていると言われる現代に置いて、魅力的な店舗空間を消費者に提供することで100円ショップに遊びにいく!というようなコト消費への価値を提供もしていることが成長を後押ししていると推測します。
コストを抑える撤退戦略
「7000」。なんの数字かというと100円ショップ大手4社の店舗数です。昨年より約400店増え、7000台の大台に乗る見通しです。では、なぜここまで100円ショップは店舗を拡大することができるのか。結論から言うと、絶妙な撤退戦略をうまく取っているからです。
実は100円ショップ各社は昔のように単独で土地を借り、店舗を建てる出店方法から、スーパーなどの中に間借りをする形でスペースを確保し、そのスペースを使い、出店する方法に変えています。この手法がうまくハマったのではないかと私は推測します。この手法の良いところなんと言っても撤退を安く、そして素早く行えることです。この出店コスト、そして撤退コストを少なくする戦略が100円ショップの成長を大きく後押ししている要素になっていると思います。
おわりに
今現在、私たちは非常に変化の激しい時代を生きています。企業側もただいいものを作っても消費者が必ず買ってくれるかというとそうではありません。では、今企業に求められるものは何であるのか。私はいかに付加価値を消費者に提供できるかだと思います。ホスピタリティー溢れる接客やしっかりとしたカスタマーサービスなどは今後より、企業の成功を左右する要素になっていくのではないかと私は考えています。
<参照>
「100円ショップ」のダイソーが上場準備? セリアの既存店売上は失速…「100均業界」に何が起きた? | ZUU online
http://www.seria-group.com/corporate/pressrelease/docs/20180517_3003_4Q.pdf