毎年就職活動で人気のあるリクルート。風の噂で聞いたのですが、今年はなんと7万人がリクルートにエントリーしたとのこと。2017年において、就職という進路をとった学生が文部科学省の発表によると、43万くらいなので約16%の新卒求職者がリクルートをエントリーしたことになります。ちなみに採用人数は200人くらいだと思います。
これ、すごい数字ですよね。エントリー者全てが選考まで進むとは限りませんが、相当の倍率だということがわかります。
今回からこの熾烈な競争で勝ち抜くために、リクルートを志望する20卒のが学生に向けてリクルートの企業分析に役立つような情報をまとめて発信していこうと思います。今回はその第一回です!
そして今回の記事では、主にリクルートの買収戦略について調べてまとめてみました!逆質問などでぜひ買収戦略について尋ねてみてください。
リクルートってどんな会社?
まずリクルートとはどんな会社なのでしょうか。どんな理念を掲げていて、どんな事業セグメントなのかをここでは見ていきましょう。
リクルートが掲げるミッションとビジョン
「私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。」これがリクルートの掲げるミッションです。このミッションを通して、リクルートが目指す世界観は「FOLLOW YOUR HEART」です。
<出典>リクルートホームページより
CMなどでよく耳にする「まだ、ここにない、出会い」というフレーズも掲げ、お客様への価値提供を約束しています。
そして、創業者である江副社長が残したある言葉があります。
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
僕もこの言葉は大好きで、リクルートの挑戦し続ける源泉になっている言葉です。
リクルートの事業セグメント
リクルートは多くのカンパニーの集合体であり、数多くのサービスを社会に提供しています。 その中でもリクルートのビジネスは「HRテクノロジー」「メディア&ソリューション」「人材派遣」の大きく3つに分類されます。
より細かい分類の説明は割愛させていただきますが、より、詳しくカンパニーやサービスを知りたい方はぜひ、リクルートホームページをチェックしてみてください!
今回は「HRテクノロジー」について深掘りしていきたいと思います。
リクルートのHRテクノロジー
その絶好調のリクルートのHRテクノロジー分野では主に「Indeed」と「Glassdoor」という2つの企業が含まれています。実はこの両方の企業はもともとアメリカの企業であり、リクルートが最近買収を行って、リクルート傘下に加わった企業です。
Indeed
リクルートはIndeedを2012年に約1130億円で買収しました。Indeedは求人検索に特化した検索エンジン大手であり、「求人検索のGoogle」とも呼ばれている企業です。
Indeedは全世界で月間2億人のユニークユーザーを有しており、世界最大の求人情報検索サイトです。売上も買収後から順調な右肩上がりで、今後もより急速な成長が見込まれています。
Glassdoor
Glassdoorはリクルートが今年に約1300億円で買収し、これはGlassdoorの年間売上の約7倍の金額です。Glassdoorはアメリカのカルフォルニアに本社を置く会社の口コミ紹介をしている会社です。日本だとVokersとかが有名かもしれないですね。
Glassdoorは米国において5000万人のユニークユーザーを持っており、Indeedについで、求人検索サイトで2位につけています。
つまり、リクルートは求人情報サイトにおいて圧倒的なシェアを世界で持っているということになります。
リクルートのM&A戦略
上記2つのHRテクノロジー企業に共通しているが、M&Aというキーワードです。リクルートはここ最近潤沢な利益剰余金を用いて、積極的に優良IT企業をM&Aしており、本格的に長期ビジョンとして掲げている「2020年までに人材領域グローバルNO.1 雇用決定者数NO.1」「2030年までに人材・販促領域 グローバルNO.1 サービス利用者NO.1」を成し遂げようとしています。
しかし、なぜリクルートは数々の買収を実行し、かつ成功することができているのか。ここでは、リクルートのM&A戦略について、分析していきたいと思います。リクルートが持つ独自の海外M&A戦略は何でしょうか。主に2つのユニークな戦略についてご紹介します。
2段階アプローチ
この2段階アプローチとは、まず小さな企業を買収、または少ない金額を出資するという手法です。リクルートが持つ、独自の経営知見を海外の企業の内に輸出をし、買収先の売上が上向いた、または上向く目処がついたら2段階めの大型買収に臨むというものです。
つまり、リクルートはリターンも大きいがリスクも高いと言われるM&Aにおいて、うまいリスクマネジメントができていると言えると思います。
ビジョンへの共感が最優先
一般的な日本企業はM&Aをする際は主に証券会社を挟み、プロジェクトを進めていますが、リクルートの場合は基本的に「自分達から提案して行く」という姿勢を取っています。
なぜかというと、買収をするかどうかを決める際に「ビジョンに共感してリクルートの仲間になりたい、業績をあげたい」と非買収企業先に思ってもらうことを最も重視しているからです。
このビジョンへの共感を最重要事項としているからこそ、買収された側は納得を持って買収を受け入れることができるというメリットに繋がっているのだと思います。
おわりに
今回は、来年リクルートを受ける20卒に向けて、リクルートがどんな企業なのかの概要とリクルートのHRテクノロジー部門の概要、そしてリクルートの買収戦略についてご紹介しました。
これからも継続的にリクルートの情報を書いていきたいと思うますので、リクルートに興味がある方、現段階でリクルートにどうしても入りたい方はぜひ、今後の記事もチェックしてみてください!
<参考文献>
米インディードが目論む「リクルート超え」 (2ページ目):日経ビジネスオンライン
リクルートの米Indeed買収がお得だった件 (4ページ目):日経ビジネスオンライン
https://recruit-holdings.co.jp/ir/library/upload/report_201804_pm_jp.pdf