本日、ゲームが原作である『アンチャーテッド』を劇場で鑑賞してきました。本作は、ソニーが重要な経営戦略として掲げているゲーム→映画のIP(知的財産)活用戦略の足掛かりとなる作品。本作を鑑賞してみて、これからのソニーの映画事業の成長性について考察してみたいと思います。
<目次>
アンチャーテッドの評価は?
ソニー映画事業のこれから
終わりに
アンチャーテッドの評価は?
結論として、『アンチャーテッド』は映画コンテンツとしてはイマイチだった、というのが僕の見解です。
ゲームの方をプレイしていないので、原作との比較を踏まえた見解ではないのですが、純粋に映画としての感想は微妙でした。
色々ツッコミどころが満載だったのですが、2つイマイチだった点をあげようと思います。少しネタバレを含むかもしれないので、もしネタバレ避けたい方は飛ばしていただくか、観賞いただいてから本記事を読んで頂けたらと思います。
・ナショナルトレジャーとの比較
本作のテーマは過去行方をくらました黄金を探すいわばトレジャーハンターなのですが、個人的に大好きな映画『ナショナルトレジャー』と比較すると質が圧倒的に低い。
謎解き要素もほとんどないし、歴史を学べる要素もほとんどない。
変にアクションに力をいれているからなのか、トレジャーハンターメインなのか、アクションメインなのかよくわからないコンテンツになってしまってると感じました。
ちなみに、『ナショナルトレジャー』はめちゃ面白いので、まだの方は是非!
・歴史的に価値あるものへの配慮のなさ
そして、歴史的に価値があるものをあたかもゴミのように扱う始末。
映画の終盤、黄金を積んだ大昔の大型船をもう壊しまくりのやりたい放題。アクションで迫力を出したいのはわかりますが、トレジャーハンターとアクションが全然マッチしてなくて、違和感しかありませんでした。
ソニー映画事業のこれから
とはいえ、『アンチャーテッド』がイマイチ、という感想はあくまで僕の個人的な見解なので、もしかしたら世間的には大成功!のコンテンツになる可能性はあるでしょう。
ソニーはこれから本作を足掛かりにゲーム→映画のIP活用により注力していくことが想定されますが、この戦略を軌道に乗せるために必要となりそうなことについて再度考察してみようと思います。
ポイントは2つあると思います。まず、ヒットする良質なPS(プレイステーション)ゲームコンテンツを生み出し続けること。そして、ヒットしたゲームコンテンツを良質な映画コンテンツに転換すること。
まず分母となるヒットPSゲームコンテンツを増やすことができるかが重要となるでしょう。僕自身あまりゲームをやらないのですが、ゲームは流行り廃りが激しい業界。いかに継続してヒット作品を出し続けるかが大きな論点でしょう。
ヒットコンテンツを作るのと同時にゲームユーザーをいかに増やし続けるか?も大きな論点だと思います。スマホのモバイルゲームの充実化や任天堂のSwitchが爆発的なヒットもある中で、いかにPlayStationのコアなユーザーを確保するかは課題でしょう。
とした時に、少し前プレイステーション5が発売されて話題になりましたら、需要に対して供給が全く追いついていない現状です。
コロナによる半導体不足の影響もあるでしょうが、このままずっと供給不足が続くようなら、コアユーザーが増えるどころか、減っていってしまう事態になるでしょう。
そして、分子となるゲームコンテンツを良質な映画コンテンツに転換するという観点。今回の『アンチャーテッド』は、制作において、これまでの制作体制とは違った形で制作されたようです。これまでは、映画制作会社メインで作成していたところを、ゲーム制作会社とタッグのチームとなり制作したとのこと。
狙いとしては、ゲームの世界観の魅力を損なうことなく、映画コンテンツにしたいからでしょう。
今回の『アンチャーテッド』は微妙でしたが、組織としてゲーム→映画のノウハウをため、何かしらの勝ち筋を今後見出せるか、が肝となるかと思います。
例えば、ターゲットをPSコアユーザーかつ、映画好きのセグメントに定め、コンテンツとして、ゲームの内容をそのまま映画にするのではなく、ゲームの続編やスピンオフ編を映画にする、といった戦術はどうでしょう。
個人的に、PSゲームコンテンツだと龍が如く作品の大ファンなのですが、龍が如く作品の続編、またはスピンオフ編が映画であるとなったら、必ず観ると思います。
終わりに
今回は、『アンチャーテッド』を観賞したことをきっかけにソニー映画事業の今後の展望について、書いてみました!
ソニーはビジョンとして「世界を感動で満たす」と掲げています。
感動において、映画事業は重要な要素であるはず。今後のソニーの映画コンテンツ展開に注目です!