こんにちは!
今日は、就職活動では情報収集&理解必須の世の中のトレンドにて記事を書いて行こうと思います!世の中のトレンドと聞くと皆様どのようなキーワードが頭をよぎるでしょうか、「AI」「ビッグデータ」「SDGs」あたりが浮かんだ方が多いのではないでしょうか。
しかし、就活で自分がキャリア築く企業を選ぶときに、世の中のトレンドだけを知っているだけでな不十分です。真に理解すべきは、世の中のトレンドに対して、自分が行きたい!ないしは、行こうとしている企業がどう捉え、またどのように対応しているのか?についてです。
本記事は、「就活始めたけど、どんな企業を見たらよいのか全然わからない」または「いくつか内定をもらったけど、どの企業にすればよいか決めきれない」という方に向けて、少しでも意思決定のサポートができる内容が書けたらと思います。
<目次>
世の中のトレンドについて
今話題のカスタマーサクセスとは?
世の中のトレンドに柔軟に対応するリクルート
絶対読むべき一冊
終わりに
世の中のトレンドについて
今企業が最も直面している世の中のトレンドとは何か?色々あると思いますが、僕は「デジタル化」がホットなトレンドかなと思ってます。コロナ禍で「DX(デジタルフォーメーション)すなわち、ITの浸透により、人々の生活がよりよい方向にシフトしていくという概念が一躍トレンドワードになったかと思います。
この「デジタル化」というトレンドは必ずしも、従業員の働き方に限った話ではありません。企業は「デジタル化」により顧客(以後カスタマーと表記)との関わり方にも大きなシフトチェンジが起こっているのです。そして、このシフトチェンジが既存の業界が大きな変革をもたらしています。
わかりやすいのが、ECの巨人であるAmazonの登場です。Amazonはこれまでの小売業界の当たり前を覆し、既存の小売企業の新たな脅威となったことはいうまでもありません。これまで、カスタマーは欲しいものがあれば、店舗に行き、買うという行動が当たり前でした。しかし、Amazonが登場し、モノがオンライン上で手軽、かつお得に買えるようになるとカスタマーの消費行動はオンラインにシフトします。Amazonのせいで業績が大きく凹んだ企業は数えきれないのではないでしょうか。
つまり、「デジタル化」というトレンドは、「デジタル化」に適応できない企業は生き残れない。そのくらい死活問題であるトレンドであるということです。
今話題のカスタマーサクセスとは?
そんな「デジタル化」が進む中、企業で注目されているある概念があります。それが「カスタマーサクセス」です。直訳すると「顧客の成功」になりますが、どんな意味を含んでいるのでしょうか。
『カスタマーサクセスとは何か』を執筆された弘子ラザヴィさんによると、カスタマーサクセスとは、「デジタル時代を企業が生き抜くために必要な考え方、マインドセット、組織構築等を包括した幅広い概念である」と説明しています。
そんなカスタマーサクセスが注目されるようになったのは、「デジタル化」による顧客との関わり方が大きく変化したことが大きいです。具体的にどのように変化したのか。
それは、モノ売り切りモデルからリテンションモデルへの変化です。
<リテンションモデルとは>
カスタマーサクセスという概念がアメリカで先んじて広く浸透している背景には、リテンションモデルの登場があり、カスタマーサクセスとリテンションモデルは表裏一体だ、とカスタマーサクセスの専門家である弘子ラザヴィさんは述べています。
では、リテンションモデルとは何か?一言でいうと、顧客との粘着性を高め、顧客にとってなくてはならないサービスとなり、顧客1人あたりのLTV(ライフタイムバリュー)を高めることで持続的成長をしていくモデルのことを指します。
そして、このリテンションモデルによって脅威に晒されているのが、モノ売り切りモデルでこれまで持続的成長を実現してきた企業群です。
では、『カスタマーサクセスとは何か?』の中で述べられているモノ売り切りモデルの企業とリテンションモデルの企業の対比についてみていきましょう。
<リテンションモデルの代表企業〜Amazon〜>
皆様、Amazonという企業をご存知でしょうか。恐れく、ほとんどの方がご存知、かつサービスを使用になっている方と思います。
では、Amazonで様々な特典を得られるAmazonプライムに加入されている方、いらっしゃいますでしょうか。おそらく、こちらもほとんどの方が加入されているかと思います。そして、このAmazonプライムこそ、リテンションモデルです。僕もAmazonプライムに大学生の頃から加入していますが、もはやAmazonプライムの価格さえわからないほどなくてはならないサービスになってます。つまり、僕にとってなくてはならないサービスであるということです。
そして、これまでモノ売り切りモデルで成長してきた企業がリテンションモデルAmazonの台頭によってモデルのシフトを求められています。そう、ウォルマートです。
<モノ売り切りモデルからの脱却〜ウォルマート〜>
ウォルマートは近年CCO(チーフカスタマーオフィサー)という新しい役職を創設し、外部からプロを招聘し、これまでの店舗での買い物とオンラインでの買い物をシームレス(ストレスなく)つなぎ、リテンションモデルへシフトする役割を担っています。
通年売り上げ50兆円近いウォリマートが25兆円規模のAmazonに脅威を感じている。それほど、リテンションモデルがアメリカでは次世代の顧客への価値貢献の仕方としてスタンダードになっているということです。
世の中のトレンドに柔軟に対応するリクルート
では、「デジタル化」によるリテンションモデルに見事に適応している企業を一社ご紹介したいと思います。
それがリクルートという会社です。僕がファーストキャリアとして選択した企業でもあり、今でも大変お世話になっている企業ですが、リクルートは変化に対しての順応力が競争優位性を生み出している企業です。
リクルートは60年の歴史がありますが、紙媒体で始まった人材広告ビジネスをインターネットの台頭から、オンラインへのシフトを行い、大成功を収めました。さらに、グローバル化が進む中で海外への事業展開を加速させ、indeedの買収が大当たり。さらに大成功を収め、いまでは時価総額10兆円近い企業にまで成長をしています。
では、このリクルート。次はどのような変化を遂げようとしているのか?それがまさしくもの売り切りモデルからリテンションモデルへの転換です。リクルートがリテンションモデルへの転換を図ろうとしている根拠となる2つのサービスを紹介したいと思います。
<スタディサプリ>
スタディサプリとは中高生や英語を学ぶビジネスマン向けに提供しているオンライン教育サービスです。そして、このスタディサプリがコロナ禍も相まって急速な成長を見せています。ちなみに、前回リクルートの決算分析をした際にスタディサプリの成長性について触れているので気になる方はあわせてご参考に!
スタディサプリ、実は正確な売り上げをIRで公表していません。その代わりに会員数を開示してます。これはリテンションモデルの特徴なのですが、リテンションモデルでは、売り上げよりも顧客数や顧客の継続的なサービスの度合いを示すNRR(Net Revenue Retention)を指標に置くことが多いです。
そして、以下がスタディサプリの会員数の推移です。
<出どころ>
https://recruit-holdings.co.jp/ir/library/upload/report_201902_pm_jp.pdf
少し古いデータになってしまい恐縮ですが、スタディサプリの会員数が右肩上がりでグングン上昇していることがわかると思います。最近コロナの影響もあり、IRで具体的な会員数を示していないのですが、おそらくここ最近より急角度で有料会員数を伸ばしていると想定されます。
では、このスタディサプリ。リクルートがリテンション(なくてはならないサービスだと感じたもらう顧客ターゲット)を誰に置いていると思いますか?
普通、サービスを直接利用する中高生や英語を学んでいるビジネスマンと定義しそうですが、リクルートはそうではありません。
リクルートは、学校の先生に対してリテンションするサービスであると定義してます。面白いですね。実は、近年スタディサプリの営業組織がこのコロナ禍でだいぶ拡大され、全国の中学校・高校にサービスの普及を行ってます。
スタディサプリの真の価値は、学校の先生がスタディサプリを活用することで、自分が理想とする教育に注力できる状態を提供すること。これがリクルートが仕掛ける一つの成功しているリテンションモデルのサービスです。
<Air シリーズ>
そして、リクルートはもう一つリテンションモデルへの脱皮に向けて仕掛けているサービスがあります。それが「Air シリーズ」と呼ばれるサービス群です。
<出どころ>
2020年3月期 第2四半期 決算概要 | コーポレートブログ | 企業情報 | リクルートホールディングス
勘がよい方が気づかれたかもしれませんが、スタディサプリの会員数のデータの部分でAirレジという謎のサービスの登録アカウント数も右肩あがりであることがわかると思います。
<出どころ>
2020年3月期 第2四半期 決算概要 | コーポレートブログ | 企業情報 | リクルートホールディングス
このAirレジはAirシリーズの中の一つのサービスで店舗のレジ打ちを簡素化したり、収支出しの時間を大幅に短縮できるサービス。しかも無料で提供してます。そのほかにも簡単にシフトの調整ができるAirシフトや無料で自社の採用ホームページを作成し、indeedに求人を掲載できるAirワークスなど業務効率化ができる便利なサービスを無料で提供しています。
そしてこのAirシリーズによるリクルートの狙いは正しく、モノ売り切りモデルからの脱却。そして、リテンションモデルへのシフトであると僕は考えてます。これまでリクルートは、人材領域であれば、リクナビやタウンワークなどで採用マッチングの部分で価値提供をしてきましたが、採用が終わると顧客との関係性は一旦潰えます。つまり、モノ売り切りモデルでした。
しかし、Airシリーズを顧客に提供することで、顧客と常に繋がれる状態を作れます。以下、Airシリーズのサービス説明動画です。ぜひご覧ください。リクルートがAirシリーズで実現したい世界観が理解できると思います。
このAirシリーズの拡大・浸透こそ今後のリクルートの明暗を分けると言っていいかと思ってます。
絶対読むべき一冊
最後に僕がこの記事を書こうと強く思うきっかけとなった本を共有しようと思います。是非読んでみてください。
『カスタマーサクセスとは何か』
個人的には、就活で必読に一冊だと思います。今後中長期的に持続的成長をする企業はどこか?という問いは、入社する企業を意思決定する際には、必ず必要な問いになるでしょう。
その問いに答える第一歩は、今のビジネスのトレンドと勝ち筋を理解しておくこと。その一歩を踏み出すためにオススメの一冊です。
終わりに
今日は、特にアメリカで浸透しているカスタマーサクセスという概念があること、そしてその背景あるリテンションモデルの台頭、そしてリクルートがリテンションモデルにシフトチェンジしているという示唆について記事を書いてきました。
この記事を読んでいただき、リクルートの興味を持った!という方はぜひ以下の本を読むとリクルートにもっと興味を持つと思います!僕はこの本を読み、リクルートを志望し、リクルートに入社をしました。ぜひ。