最近都内を歩いているとよく見かけるようになって、あれ?ここにも店舗できてると感じる会社があります。その会社はライザップという会社です。多くの方がユニークなCMでおなじみかもしれませんね。先日、ライザップがカルビーの松本会長を招聘したというニュースが話題になりました。実は、ライザップ、非常に儲かっている企業で売上は2018年3月期において前年比142%の成長という驚異的な成長をしています。
ではなぜライザップはここまで急激に成長することができたのか。その背景を世の中の大きなトレンド、そしてライザップの企業戦略というマクロとミクロの視点で分析してみたいと思います。
マクロの視点
まずはマクロの視点から。ライザップの成長を後押ししている社会的トレンドとして、「モノ消費からコト消費への変化」「健康志向」「働き方改革による健康経営」の3つが考えられます。
モノ消費からコト消費へ
ライザップは消費者の消費行動の変化を先読みし、事業を拡大することができたとても良い例だと思います。つまりライザップはいち早く、消費者が求めるものは「モノ消費」による物質的な豊かさではなく、「コト消費」による精神的な豊かさに変化することを予期していたのでしょう。
このトレンドの変化により、自己投資にお金を使う人が増え、ライザップが成長している大きな要因になっていると推測します。
健康志向
続いて、数年前から如実にトレンドとなっている健康志向もライザップの事業を大きく後押ししていると言えるでしょう。ライザップはトレーニングだけでなく、食事管理も徹底することで知られています。
食生活の乱れを自分で急激に変えることって難しいですよね。その課題に解決案がもたらしたのがライザップと言えるでしょう。テクノロジーを用いて、徹底した食事管理をお客に課すことで、食生活の乱れを正すきっかけを価値として提供しているのだと思います。
働き方改革による健康経営
3つ目が働き方改革による健康経営が注目されるようになったことも見逃せない要素でしょう。 実はライザップは一般消費者のみならず、法人に対してもサービスを展開しています。運動と食のプログラムを通して、企業の健康経営を後押しするサービスを提供しています。
この法人向けのサービスはとても好調で、開始一年で使用者数25,000人、そして売上も一年で5倍になるなど、需要があることがわかると思います。
ミクロの視点
次に、ミクロの視点であるライザップの企業戦略についてみていこうと思います。
自己投資産業という事業ドメイン
ライザップは売上の柱であるボディーメイク事業の他にゴルフや英語教育などにも力を入れ、多角化を図っています。というのもライザップが事業ドメインとしている領域がただの健康を維持することではなく、自己実現産業においているからです。
自己実現産業について、ライザップは決算資料で詳しく図で述べているので、下記にあげておきます。
図を見ると自己投資産業には様々な市場が含まれ、7兆円という大きな市場となっていることがわかります。これら全ての市場をライザップはビジネスフィールドとしているのです。
その証拠にライザップは急速にM&Aを進めており、セグメントを「美容・健康関連事業グループ」「アパレル関連事業グループ」「住関連ライフスタイル事業グループ」「エンターテイメント事業グループ」と4つのカテゴリに分類してM&Aを加速させています。
マーケティング力
そしてこの多角化を支えているのが、ライザップのマーケティング力です。特に注目すべきはライザップの広告宣伝費です。2016年3月期の広告宣伝費は、売上高約554億円に対して約92億円となっています。この数字は、大手企業にも肩を並べ、企業規模を考えると相当の金額を広告につぎ込んでいることがわかります。
おわりに
健康食品もプライベートジムも原価率が低く、粗利が大きいビジネスであることも利益率が高い要因となり、先行投資を積極的に行える理由にもなっています。ライザップの今後の成長に注目です。